アオマツブログ

青松輝(あおまつ・あきら)。短歌・批評など。Twitter:ベテラン中学生、YouTube:ベテランち。

短歌の評論

別のところでみる夢-丸田洋渡試論

詩は世界と世界にあるすべてのものを明示すべきなのである。わたしたちにものを与えるためでなく、わたしたちからそれを奪うために。-ジャン=ポール・サルトル「マラルメ(1842−1898)」 1.夢の時代、生活の時代 自らの遅れてきた第一歌集で、あつかましく…

4、3、2、1、死の装置

1 生まれてから死ぬまでの限られた時間のうちいくらかを割いて、あなたは今、ここで僕が何かを語りだしているのを見ている。 あなたが人生のなかで読める文章の数は決定的に限られているし、ひとりが死ぬまでに書けることもおそらく限られている。 そういう…

詩の到来、その素描

◇ 「完璧な詩」は予期されるばかりで、現実のものとして僕たちの前に到来することは少ないようだ。 ある一個の表現ジャンルを意味する「詩」という言葉とは別に、それらの核心のように語られる、イデア的な「詩」が何を意味するのかを、この1年ほどいつも考…

クリスマス・ソングと短歌のナカグロ

いかがおすごしでしょうか。青松です。クリスマスにひっかけて、クリスマス・ソングについてのクリスマス・短歌のクリスマス・評論を書きました。10分以内で読めると思います。 「日々のクオリア」で平岡直子さんが評していた歌と同じ歌なのでそちらと読み…

【歌論】瀬戸夏子・水泳・わたくし

☐☐☐ 短歌は水泳のようだと思う。 短歌は水泳のようだと思う。我々は水の中ではうまく動けない。水圧がかかって、空気の中よりも身体が強く縛られるから。だからこそわざわざ水の中へ入っていって、少しだけ浮かぶ部分で息継ぎをして、できるだけ速く、できる…

【歌論】戦う永井祐と穂村弘、世代論でない「ポスト」

四月になって学校が始まったけど、週二回しか学校はなくてダラダラ日々を過ごしている。サークルの新歓期だから予定はちょこちょこあるけど結構寝ブッチしたりしていて関係各位には申し訳ない限りです。 先週の金曜(4/5)に瀬戸夏子と穂村弘の対談(「現…

【歌論】佐久間慧と「人称派」

☐☐☐ 帰省してから三日経つものの、9時くらいに寝て→18時くらいに起きて、を繰り返してる。この三日間、ゲームのなかで160キロの球を投げて三振を取る、のを繰り返してて、メルカリで買った詩の本が6冊くらい溜まってるのに全く読めていない。飲みにいっ…

M1を見て お笑いと短歌の「おもしろさ」

M1を見た まずM1の感想 M1グランプリを見ました。今回の文章はM1の話と短歌の話を絡めて、短歌とお笑いにとって面白さとは何かという話になっているので、お笑い好きな人に短歌の面白さに触れるきっかけになればいいなと思ってます。最後の方に自分語…