アオマツブログ

青松輝(あおまつ・あきら)。短歌・批評など。Twitter:ベテラン中学生、YouTube:ベテランち。

留年日記① ドイツ語・最初の授業

 

留年してるんですけど、申し遅れました、わたくし留年してまして、ベテラン中学生っていう、1浪1留で1回生なんですけど、再履修(≒留年の要因)のドイツ語の授業を受けに行ってきたので報告します。


(前夜から)
お金がないのに旅行してしまったせいでリアルにお金が無くて、岩手から新幹線に乗ることができず、旅館を出て→イオン→待合室→夜行バス の順にず~っと寝ていく。基本的に変なところで寝るのは慣れている(教室とか、ファーストフードとか、電車とか)のでスヤスヤ寝れるけど、良い気はしない。

 

(朝)
着いたら東京駅で朝の8時だったので、カタログギフトで母がもらったダサいスーツケース(スーツケースを壊してしまったのでそれをもらって使っていた)を転がして渋谷に着く、と、朝の9時になってて、お金がなくて時間だけあるので渋谷から駒場キャンパスに歩く。そもそも家が駒場にあればスーツケースは家に置けたしゴロゴロしてから学校に行くこともできたけど、親が段取りしてくれた引っ越しに「俺、まあまあの確率で留年しそうやから早まらない方がいいよ…」と言わなかったのは自分なので仕方がない。

 

(学校)
なんか留年するまで、つねに地獄みたいに見えた大学のキャンパスが意外と悪くないような気がしてくる。いや、名実ともに今や1年生なのに駒場キャンパス(1~2回生前半のみ在籍)を他者としてとらえてしまうのは、どうなんですか?

夏が終わった割に暑くてTシャツ1枚になる。なんで10月の朝にTシャツ1枚にならんといかんのだ、と思いながらツイッターを見ている。携帯からログインすると凍結されるので見る用に作った鍵垢で見ている。

20分早く着く。教室には誰もいない。時間の管理が基本的にできないので、だいたい1番に着くか最後に着くかが多い。ので、待つのは慣れていた。徐々に部屋に入ってくる、同じクラスの1学年下のメンバー(春も再履修のドイツ語で見ていた)、は、「こんなやついたか?」みたいな奴の連続だったが、4人ぐらいしかいなくて覚えてる女の子はなんか垢抜けた感じがして、夏が過ぎたと思う。

 

(授業)
先生は5分遅れて入ってくる、で、はじまる。50-60ぐらいのおっさんで、チノパンで、シャツで、チェックのジャケットで、白髪で、眼鏡で、170ぐらい。声が低くて何を言ってるか分からない。が、徐々にチューニングがあってきて、聞こえるようになってくる。

 

板書が始まってふと目を上げたら、おっさんは白の軍手を両手にはめてチョークを使っていた。
確かに理屈の上では、チョーク、軍手、ジャケット、は正しい。

 

けど、ジャケットに、軍手…

 

教科書を忘れたしあんまり聞く気にもならないのでカバンに入っていた本を読みながら聞き流していると、先生が生徒を指名して例文を読ませてるっぽかった。その時「井原さん…いないですか…」と聞こえて、同じクラスの井原も留年していたと知る。いや、留年したんやから頑張って学校来いよ。

 

授業が終わってもなんとなく心に残ってたのは読んだ本の内容と軍手のことだけだった。

 

 

なんでこんなに情けないんでしょう。